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【テトリスのようにキャリアがハマる】40代転職を成功に導く「縁」と「ニーズ」の法則

目次

はじめに〜40代転職は「無理ゲー」じゃない〜

「40代の転職は無理ゲーだ」、「35歳を過ぎたら転職は難しい」。

巷でささやかれるこのような声に、不安を感じている方は少なくないでしょう。

特に40代後半になると、新しい環境への適応力や体力面での不安、そして何より「この年齢で本当に転職できるのか」という漠然とした恐怖が、行動をためらわせる大きな要因となります。

しかし、あきめるのはまだ早い。

この記事は、特別な資格や豊富なマネジメント経験がなくても、47歳で転職に成功したリアルな体験談をもとに、40代の転職を成功に導くための具体的なヒントを紹介します。

私自身も、不安に押しつぶされそうになりながらの転職活動でしたが、決してあきめない心と、自分なりの戦略によって、希望の職種に巡り合うことができました。

この記事では、成功を左右する「縁」と「ニーズ」に焦点を当て、40代の転職は決して不可能ではなく、むしろこれまでのキャリアを武器にできるチャンスであることをお伝えします。

なぜ、40代の転職は「テトリス」なのか?〜イビツなキャリアが武器になる〜

私の職務経験は、決して華々しいものではありませんでした。

営業職を約1年、営業事務職を約5年経験した後、総務職を約17年、店舗販売職を約1年経験しています。

転職回数は2回。

権威性のある資格もなく、マネジメント経験も少なかったため、キャリアに合致した求人が少なく、応募してもほとんどが書類選考で落ちていました。

しかし、このような「誰にでもできる仕事」と思っていた総務職の長い経験が、47歳での転職を成功に導く最大の武器となったのです。

転職が決まった後、採用担当者にその理由を尋ねたところ、筆者が採用されるまでに8人もの候補者が書類選考や面接で落ちていたという驚きの事実が判明しました。

採用された理由は、総務に特化した職務経歴を重視したからだそうです。

私の前職は上場企業だったため、人事部と総務部が完全に分かれており、人事的な仕事は全くなく、総務部員としての長いキャリアを積むことができたのです。

不採用になった他の候補者たちは、総務と人事の経験が半々であったり、人事寄りのキャリアだったため、総務に特化した人材を探していた企業のニーズに合わなかったのです。

これは、まるで「テトリス」のように、私の「いびつなキャリア」と企業の「いびつなニーズ」が偶然にもピタリと合致した瞬間でした。

誰にでもできる仕事しか経験がなかったとしても、それが特定のニーズに「ハマる」ことで、他にない強みになることがあるのです。

「テトリス」成功の鍵は「ニーズ」分析

「テトリス」でブロックを綺麗に消すためには、次に落ちてくるブロックの形を予測し、適切な場所に配置する必要があります。

転職活動も同様に、企業のニーズを正確に分析し、それに合わせたキャリアを提示する必要があります。

採用担当者が中途採用で最も重視しているのは、前職での経験やスキルを活かして、即戦力として活躍できる「再現性」です。

内定を勝ち取るためには、自分を価値のある商品としてアピールするため、採用担当者が求める人物像を把握し、ニーズに合致した経験やスキルの棚卸しが必要になります。

私は、転職エージェントから得た以下の情報をもとに、面接時のアピールポイントを整理しました。

  • 中小企業、グループ全体で従業員300人程度の規模
  • 急成長しており、従業員が増加傾向にある
  • 高層ビルを購入し、翌年には移転予定である

これらの情報から、私は採用担当者が何を期待しているのかを考え抜き、過去の実績の中から以下の5つのアピールポイントを抽出しました。

1.規程類や各種マニュアルを整備した経験

会社の急成長に規程やマニュアルの整備が追いついていないのではという仮説を立てました。

2.大勢の従業員に対して全社通達文を作成、発信した経験

従業員が増加傾向にあるため、今後ますます全社通達文の重要性が増すと推測しました。

3.主導的な立場で本社ビルの移転に関わった経験

移転作業が控えているため、過去の経験が活かせるのではないかと考えました。

4.本社ビルの消防・避難訓練の立案・実施経験

移転先のビルにはテナントが入ることが確実なので、大規模な訓練が必要になると考えました。

5.安否報告システムの導入や情報メンテナンスの経験

従業員増加に伴い、大規模災害時の安否確認の重要性が増すと予測しました。

このように、企業のニーズを事前に分析し、それに合致した具体的な実績を、問題解決のプロセスを交えて具体的に述べることで、採用担当者に「即戦力」であることを強く印象づけ、「テトリス」を成功させる鍵となります。

「縁」を引き寄せるための3つの行動〜あきめない心が生む「幸運」〜

40代の転職活動は長丁場になることを覚悟しなければなりません。

私自身も、書類選考でほとんど落ち、このまま店舗勤務のままサラリーマン生活が終わってしまうのではないかという恐怖を感じていました。

しかし、あきめたらそこでゲームオーバーです。

不安をかき消すために、常にプラス思考で考え、毎晩のように星空を眺めながら、転職の決意を新たにしていました。(ウソっぽいですが、本当です)

転職活動は「運」も関係します。

「あきめない心」を持ち続けることで、その「運」、つまり「縁」を引き寄せる可能性が高まります。

私の場合、2次面接で面接官の役員から出身地を尋ねられたことが、採用を決定づける「縁」となりました。

面接官の人事担当者が、筆者と同郷であることが判明し、面接の後半は共通の話題で盛り上がったのです。

これは、ただ単に運が良かっただけでなく、「あきめない心」があったからこそ引き寄せられた「縁」だと確信しています。

在職中の転職活動が「余裕」を生む

退職後の転職活動はリスクが伴うため、在職中の転職活動をおすすめします。

退職後に転職活動をすると、期間が長引くほど焦りが出てしまい、その気持ちが表情や言動に表れて足元を見られることがあります。

また、無職者特有の「締まりがない表情」になってしまうことも、不利になる理由の一つです。

一方、在職中に転職活動を行えば、日々の仕事に励んでいるため、表情や言動に自然と自信が満ちあふれます。

私も、日々の激務に耐えながらの転職活動だったため、内心は焦りつつも、自然と余裕のある振る舞いができていたのではないかと分析しています。

採用担当者は、焦っている求職者よりも、傲慢や横柄な態度ではない、自信に満ちあふれた求職者に魅力を感じやすいものです。

自分なりの企業分析が「話のネタ」になる

転職エージェントは、求人に関する情報収集を代行してくれる心強い存在ですが、彼らの情報だけに頼るのではなく、自分自身で企業を調べることも大切です。

自分なりに企業分析を行うことで、面接時の話のネタや、思わぬ発見につながることがあります。

私が今の勤務先企業に応募した理由の一つに、あるスポーツの社会人チームを持っていたことが挙げられます。

不況下で多くの社会人チームが解散を余儀なくされる中、社会人チームを維持できるのは、企業の安定性の証明になると考えました。

また、面接時にその社会人チームについて質問することで、話のネタにもなり、会話が弾みました。

このように、自分なりの企業分析は、企業の安定性を見極めるだけでなく、面接官とのコミュニケーションを円滑にする上でも非常に有効です。

40代転職を成功させるための具体的な準備

希望条件の優先順位付け

自分の市場価値を理解しないまま転職活動を始めるのは非常に危険です。

特に40代の転職では、希望条件をすべて満たすことは稀です。

年収や役職、企業規模など、何を「得て」、何を「捨てるか」を明確にする必要があります。

私は、以下の優先順位で転職活動に臨みました。

  • 総務職で勤務(得意な仕事)
  • 転勤がない(自宅から通える=家族と一緒に暮らせる)
  • ワークライフバランス(年間休日が多い)
  • 転職先の安定性(未来予測は不可能)
  • 年収(前職からダウンしても構わない)

年収ダウンを受け入れる代わりに、転勤のない総務職、そして年間休日が多い会社を転職先選びの基準としたのです。

希望条件に優先順位を付けることで、転職のミスマッチを防止し、後悔の少ない転職を実現できます。

転職エージェントの賢い活用術

私の転職が成功したのは、転職エージェントのおかげと言っても過言ではありません。

転職エージェントは、求職者の利用は無料ですが、企業から報酬を受け取るビジネスモデルであることを理解した上で活用することが重要です。

メリット

非公開求人

一般には公開されていない求人を紹介してもらえます。

企業との交渉代行

45歳までの求人でしたが、私の年齢(当時47歳)でも、転職エージェントの担当者が企業と交渉してくれたおかげで、面接に進むことができました。

さらに、年収アップの交渉まで代行してもらい、見事に成功しました。

ブラック企業対策

転職エージェントは、採用が決まった企業から高額な成功報酬を受け取ります。

ブラック企業ではそのような報酬を支払えないことが多く、結果としてブラック企業を避けることができます。

企業からの情報収集

採用担当者が求める人物像や、求人募集に至った背景など、リアルな情報を詳しく聞き出すことができます。

 デメリット

質の悪い担当者

担当者によっては、職務経歴書をろくに読まずに、キャリアに合致しない求人を手当たり次第に勧めてくることがあります。

その場合は、担当者交代を申し出るか、別のエージェントに切り替えましょう。

小規模なエージェント

保有案件自体が少ない無名の転職エージェントだと、紹介される求人が少なく、徒労に終わる可能性が高いです。

効率よく活動するためには、複数の大手転職エージェントへの登録がおすすめです。

 仕事の棚卸しと情報収集

採用担当者が求めているのは「即戦力」となる人材です。

そのため、仕事の棚卸しを行い、説得力のある実績を整理しておく必要があります。

筆者のように、職務範囲が多岐にわたる総務職の場合、自分では大したことないと思っていても、応募先の企業にとっては重要な経験である可能性があります。

経験した職務はすべて書き出し、数字で示せる実績など、説得力のあるものから順に並べ替えることが大切です。

また、転職エージェントを通じて、求人に至った背景や、企業が求める人物像を詳しく聞き出しましょう。

そして、その人物像にマッチした実績を具体的に深掘りします。

ただ実績をアピールするだけでなく、問題解決のプロセスや、自分なりの工夫、仮説などを交えた具体的なエピソードを伝えることで、より効果的なアピールができます。

さいごに〜あきめない限り、負けは確定しない〜

人生100年時代を迎え、今後ますます定年退職の年齢が上がると言われています。

40代の転職は厳しいという声に耳を傾けるのではなく、今こそが転職の好機と捉えることが重要です。

私の体験が示すように、特別な資格や経験がなくても、自分の「いびつなキャリア」と企業の「ニーズ」がピタリと合致すれば、転職は成功します。

そして、その「縁」を引き寄せるのは、決してあきらめない心です。

世の中には多くの会社が存在しています。

どこかにあなたを必要としている会社が必ずあります。

あきめない限り、負け(転職失敗)は確定しません。

自分の強みが活かせる会社であれば、ストレスが減り、自然体で働くことができます。

他人ではなく、自分の価値観を優先することで、幸福度は高まります。

40代の転職は、これまでのキャリアを見つめ直し、これからの人生をより豊かにするための貴重な機会です。

ぜひ挑戦してください。

▼この記事は拙著「あきらめるのはまだ早い! 40代後半のリアルな転職体験談」の要約です▼

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