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「総務部の教科書【基礎編】」はなぜ売れたのか? 〜著者自身が語る5つの自己分析〜

このたび、拙著「総務部の教科書【基礎編】」が、皆様のおかげで一定の売上を達成し、多くの読者に届いていることに、心から感謝しております。

正直なところ、総務というニッチなテーマで、しかも華やかさに欠ける「基礎編」という内容が、どれだけ受け入れられるのか不安でした。

しかし、蓋を開けてみれば、幸運にも多くの方に手に取っていただくことができました。

多くの方といっても、月にビジネス本1冊くらいの収益です。

それでも、ニッチなテーマであることを考えるとまずまずのスタートではないかと思います。

本記事では、この予期せぬ成功の要因を、一人の著者として冷静に、そして真摯に自己分析してみたいと思います。

この振り返りが、これから何かを創造しようとしている方々の、ほんの少しでもお役に立てれば幸いです。

▼拙著「総務部の教科書【基礎編】」▼

目次

1. 読者の「漠然とした不安」を言語化

私は本書の冒頭で、読者の皆さんが総務部に対して抱くであろう、少しネガティブなイメージをあえて言葉にしました。

  • 「何をやっているかよくわからない部署」
  • 「コピー取りやお茶汲み?」
  • 「地味で目立たない仕事」

これは、私自身が過去に抱いていたイメージでもあります。

これから総務の仕事に就く人、特に学生や異動を命じられた若手社員は、多かれ少なかれ、このような不安を抱えているのではないかと考えました。

そこで、本書はまずこの不安な気持ちに寄り添い、その代弁者となることを意識しました。

そして、「総務部って具体的にどんな仕事をしているの?」、「どんなスキルが必要なの?」といった具体的な疑問に、私の20年以上の経験を踏まえて、基礎から丁寧に答えていくことにしたのです。

この構成によって、読者の皆さんは「これは自分のための本だ」と感じ、安心して読み進めることができたのではないでしょうか。

目次も、この不安を解消するための道標として機能するように設計しました。

第1章で総務部の全体像とミッションを提示し、続く章で「働く環境を整える」、「会社のモノとルールを守る」、「社内の潤滑油になる」といった具体的な業務内容を体系的に解説しています。

最後に、業務を円滑に進めるための「スキル」と「心構え」に言及することで、知識だけでなく、自信も得られるよう配慮しました。

この情報構造こそが、読者の「分からなかった」を「わかった!」に変える、本書の最大の強みだと自己分析しています。

2. 「専門家」としての信頼性と、「当事者」としての共感性の両立

私は、新卒で入社した弱小単品メーカーで、ワンマン社長の恫喝におびえながら、サービス残業が当たり前の超絶ブラック企業に勤務した経験があります。(その結果、メンタルを病みかけることに‥)

その後、小売業の上場企業に転職するも、業界全体がブラックで疲弊する日々を送りました。

そして、最終的に自由な時間を求めて、定時退社できる中小のホワイト企業へとたどり着きました。

このキャリアは、決して華々しいものではありません。

しかし、だからこそ、多くの読者の心に響いたのだと信じています。

本書では、上場企業と中小企業の両方で20年以上にわたり総務部員として様々な経験を積んだことを、私の「実績」として提示しました。

総務部と人事部が独立した会社でこれほど長く総務部員を務めた人は稀だと自負しています。

この圧倒的な実務経験が、本書の内容に専門家としての信頼性を与えていることは間違いありません。

しかし、それだけでは読者はついてこなかったでしょう。

私の個人的なキャリアパス、特にブラック企業での苦労を正直に語ったことが、読者の皆さんの日々の悩みや苦労に寄り添い、共感を生んだのだと思います。

本書は、単なる堅苦しい教科書ではなく、同じ境遇に立つ仲間からのメッセージとして受け取ってもらえたのではないでしょうか。

この「専門家」と「当事者」という二つの顔を両立させたことこそが、ニッチな市場で読者の心をつかむ上で、最も効果的な戦略だったと自己分析しています。

3. 「会社」という全体像を「潤滑油」という一言で表現

総務部の仕事は、まさに「会社全体の活動を円滑にするための、あらゆる業務」です。

その業務範囲は非常に広く、「何でも屋」と表現されることもあります。

この抽象的で多岐にわたる仕事を、新入社員や総務未経験者にも伝わるように、私は「潤滑油」というシンプルな比喩で説明することにしました。

車やバイクのエンジンオイルのように、一見なくても良さそうに思えるけれど、なければ組織は機能しなくなる。

このシンプルかつ的確な例えが、読者の皆さんに総務の仕事の本質を直感的に伝えることができたのだと思います。

地味だけど、なくてはならない存在、というメッセージは、総務部員としてのアイデンティティを確立する助けにもなると信じています。

また、本書では、言葉だけでなく視覚情報も積極的に活用した事例も挙げています。

複雑な動線を「絵」で示すことで避難訓練を成功に導いたエピソードは、その象徴です。

視覚情報は、言葉だけでは伝えきれない情報を雄弁に物語ってくれます。

4. 普遍的な「仕事の鉄則」を総務の現場に落とし込む

本書は、総務の業務知識だけでなく、ビジネスパーソンとして普遍的に役立つスキルや心構えについても解説しています。

総務の仕事は、会社の根幹を支えるからこそ、これらの普遍的なスキルが、特に重要になると私は考えています。

例えば、日々の仕事に追われがちな現代のビジネスパーソンに向けて、スティーブン・R・コヴィー氏の『7つの習慣』で提唱される「緊急ではないが重要なこと」に意識的に取り組むことの重要性を伝えました。

これは、私自身の経験から生まれた強いメッセージです。

いつかやらなければならないと知りながらも、つい先延ばしにしてしまうBCP(事業継続計画)の策定は、まさに総務部の宿命です。

私は、最も思考がクリアな朝の時間帯をBCP策定に充てることで、この課題を克服しました。

この実体験を通じて、読者の皆さんに単なる知識ではなく、仕事の成果を最大化するための実践的なヒントを提供できたのではないかと感じています。

また、「報・連・相」や「ミスへの正しい対応」といった基本中の基本も、総務部員の「生命線」として位置づけています。

なぜなら、これらの基本が徹底されていなければ、他部署からの信頼を失い、総務としての機能が麻痺してしまうからです。

普遍的なビジネススキルを、総務の現場のリアリティに結びつけて語ることで、本書は単なるハウツー本に留まらない、より深い価値を持つことができたのだと信じています。

5. 「はじめに」と「さいごに」に、強いメッセージとエールを込めた

本書は、読者のネガティブなイメージから始まり、最終的に総務部の仕事への誇りを持ってもらう、というストーリーを意識して構成しました。

「はじめに」で「地味で目立たない仕事」という読者の率直な気持ちを代弁し、読み進めるうちに「会社を支える、奥が深くてやりがいのある仕事」へと認識を転換させることを目的としました。

そして、締めくくりの「さいごに」では、私自身の20年以上の経験から、「他部署から尊重され、頼りにされている」ことは間違いないと断言しました。

経営層と密に連絡を取りながら、会社全体を俯瞰し、多くの部署、社員と関わっているからこそ、総務部は会社にとって、そして社員にとって、かけがえのない存在なのだと語りかけたのです。

読者の皆さんが本書を読み終える頃には、総務の仕事に対するイメージが覆り、自身の仕事に誇りを持ってもらえるように、強いメッセージを込めました。

そして、最後の最後に、「あなたの未来が輝かしいものとなることを応援しています!」というエールで締めくくっています。

このエールが、新たなキャリアへの第一歩を踏み出す読者の背中を、力強く後押ししてくれることを願ってやみません。

最後に、この地味な教科書を手に取ってくださった全ての読者の皆様に、心から感謝を申し上げます。

皆様の信頼と応援がなければ、この本がここまで届くことはありませんでした。

本当にありがとうございました。

▼拙著「総務部の教科書【応用編】」▼

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