“ユダヤ人が成功している理由”
“ユダヤ人”と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?
おそらく、“成功者”とか“大富豪”といったものではないかと思います。
歴史上の人物では、ピカソ、ベートーベン、アインシュタイン、マルクス、イエス・キリスト…
Googleの創業者のラリー・ぺイジ氏、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏もユダヤ系の実業家です。
今回の記事は、日本マクドナルド社創業者の藤田田(でん)氏が書いた名著“ユダヤの商法”を読んで感じたことを独自視点で述べた内容になります。
ユダヤ人がなぜ金銭的な成功を収めてきたかが長年の謎でしたが、“ユダヤの商法”を読んで謎が解けました。
ユダヤ人が成功している理由は…
【結論】“時間を大切にする”からです。

これが結論!!
“寿命を逆算して生きる”
人間は“いつか必ず死ぬ”ということは理解していても、普段の生活で“死”を意識することはほとんどありません。
特に日本人はその傾向が強いように思います。
一方でユダヤ人は、“あと何年”という会話がなされるくらい、“死”は身近なものなのです。
ここでいう、“あと何年”とは“寿命”のことです。
日本人には考えられない会話ですが、ユダヤ人が寿命を逆算して生きていることを如実に表しています。
“火事場の馬鹿力”
人間は生命の危機にさらされた時、信じられないような力を発揮します。
普段では持ち上げられないような重さのものでも、持ち上げてしまうほどです。
人間は平常時には、100%の力が発揮できないようにできています。
普段から100%の力が発揮できれば、筋肉や骨が悲鳴をあげ、体が正常に機能しなくなるからです。
つまり、平常時は“リミッター”がかかっている状態なのです。
寿命を意識しているユダヤ人は、平常時から“リミッター”が外れているのではないかと思えるほど、高いパフォーマンスを発揮するイメージがあります。
スタートアップの起業家や偉大な発明家など多くの著名人を輩出していることからも、あながち間違ってはいないと思います。
56歳の若さで他界した、Apple社の創業者のスティーブ・ジョブズ氏。
生前、“今日が人生最後の日だとしたら、今日これからやることは、本当にやりたいことか?”を常に自問していたようです。
彼がユダヤ系であるかは定かではありませんが、考え方自体は典型的なユダヤ人のように思えます。
人間には、“死”を意識した時にしか発揮できない不思議な力があります。
スティーブ・ジョブズ氏の発明品は、世の中の生活を一変させるほどのインパクトを与えました。
“時間を大切にする”、この考え方こそ人生を豊かにする、究極の思考法ではないでしょうか。
普段から寿命を意識しているユダヤ人、全くといって良いほど意識していない日本人、両者に大きな隔たりがあるのも当然のことといえます。


“短時間の集中力”
宿題や企画書の提出日など、かなり前から期限が決まっていたにもかかわらず、期限に間に合わなかったり、締め切りの直前でギリギリ間に合ったという経験があると思います。
人間は、“まだ時間がある”と思うと、つい先送りにしてしまうものです。
火事場の馬鹿力で何とか期限に間に合うというのは、短時間だと集中力が続くからです。
寿命を意識しているユダヤ人には、平常時から高いパフォーマンスを発揮する習慣が備わっているように思えます。
ユダヤ人にとって、“まだ時間がある”というような考え方は皆無なのではないでしょうか。
“時は金なり”
“時は金なり”の考え方が徹底しているユダヤ人には、飛び込み営業やセールス電話は通用しません。
大切な時間を盗まれるのは、お金を盗まれるのと同じだからです。
ユダヤ人は文字どおり“時は金なり”と考えている。
1日8時間の勤務時間を、彼らは常に“1秒いくら”で仕事をしているつもりでいる。
タイピストにしても、退社時間がくると、残り10文字打てば書類が片づくと分かっていても、ピタリと仕事をやめて帰っていく。
“時は金なり”という考え方に徹底している彼らにとって、時間を盗まれることは彼らの商品を盗まれることであり、結局は彼らの金庫の中の金を盗まれることと同じことなのである。
“ユダヤの商法”藤田 田 氏 著 ~時間も商品 時を盗むな~
日本では、飛び込み営業やセールス電話がまかり通っていますが、私自身も随分と時間を奪われてきました。
本当に良い商品であれば、“押し売り”をしなくても売れるはずです。
“押し売り”は、双方にとって時間のムダ。
日本人は時間の価値に気づいていない人が多いせいか、時間を奪ったり、奪われたりしている自覚がありません。
時間があれば、労働や事業でお金を稼ぐことができますし、休憩に充てたり、趣味に没頭することもできます。
極端にいえば、時間の経過とともに寿命を減らしているともいえます。
このように“時間は何事にも代えがたいもの”なのです。
飛び込み営業やセールス電話をするような事業の多くは、社会に価値を提供していないのではないかと感じています。
悪徳経営者のポケットマネーを増やすだけが目的のような事業です。
社会に価値を提供できていなければ、生産性が下がり、長時間労働の元凶にもなりかねません。
時間を有効に使い、生産性のあることに注力できれば、これほど幸せなことはありません。
日本でも、“時間を大切にする”文化が根づくことを願うばかりです。
“偉大な発明”
全人口のわずか0.2%にしか満たないユダヤ人がノーベル賞の約20%を占めている事実。
単なる偶然と結論づけるには、あまりにも不自然な数字です。
他人が思いつかないような発明をするには、“ヒラメキ”が大切です。
“ヒラメキ”は日常生活の何気ない瞬間に生まれます。
必死に考えれば思いつくようなものではないのです。
“ヒラメキ”、つまり、良いアイデアはゆとりのある時間を過ごしている時に生まれやすいといわれています。



ボーっとする時間も大切!!
“忙しい”の“忙”という漢字を嫌う人がいます。
“忙”という漢字が嫌われるのは、“心”を“亡くす”と書くからです。
私も若い頃は、“細かい人だなぁ…”と思っていましたが、今では嫌う理由がよく理解できます。
心を亡くしているようでは、何事も成し得ることはできません。
“心ここに在らず”という状態ですから…
日本人のどこかに、“労働で流す汗は美しい”というマインドがあります。
確かに、怠けてばかりの生活では人生は好転しないので、ある意味では正しいと思います。
しかし、心を亡くすほど過酷な労働を強いられる状態が幸せとは到底思えません。
時間を大切にし、ゆとりのある生活を営むことが真の幸せだと思います。
ユダヤ人は時間の大切さを理解しているからこそ、ゆとりのある時間を過ごすことができ、結果として、素晴らしい“ヒラメキ”(偉大な発明)を得たのではないでしょうか。


“ユダヤ人から学ぶべきもの”
自分の幸せを祈ることの大切さ
日本人の良さとして挙げられる、“他人を思いやる心”。
確かに大切なことだと思いますし、他国に誇れる文化かもしれません。
しかし、他人を思いやることに重きが置かれ、自分自身の幸せが後回しになっている印象があります。
“他人を思いやる心”を客観的に分析すると、実は他人に嫌われたくないというネガティブな心理によるものかもしれません。
本当に他人の幸せを祈ることができるのは、“自分自身が幸せな人”ではないでしょうか。
日本人に足りないのは、自分自身の幸せを優先することだと思います。
日本人からすると、ユダヤ人は利己的に映るのかもしれませんが、純粋に自分自身の幸せを追求した結果に過ぎないように思えます。
自分自身が幸せになれば、心に余裕が生まれ、本当の意味で他人の幸せを祈ることができると思います。



まずは自分の幸せを祈りましょう!!
人生の楽しみ方
ユダヤ人の人生の目的は、おいしいものを心ゆくまで食べることです。
決して食事中に仕事の話はしません。


もしも、日本人に『基本的人権』があるならば、メシの時に仕事の話をしてはいけないと考えている。
日本人がメシの時にも熱心に仕事の話をしているのは、日本人には基本的人権なんかないからだ、と思っている。
“ユダヤの商法”藤田 田 氏 著 ~メシの時には仕事の話はするな~
プライベートな趣味がなく、仕事が生きがいというのであれば、致し方ない部分もありますが、それでも“仕事が趣味”という状態はいかがなものかと思います。
本当の意味で趣味と実益を兼ねている場合(元プロ野球選手が引退後も野球に携わるなど)は例外ですが…
自営業でない限り、どこかのタイミングで仕事から離れます。
“仕事が趣味”という人は、リタイアした瞬間から、急激に老け込み、ボケるのではないかと思うのです。
食事中、無意識のうちに仕事の話をするのは、仕事中心の生活を送っているからではないでしょうか。
リタイア後に老け込んだり、ボケたりしないよう楽しく過ごせる趣味を持ちたいものです。
時間の使い方
何かを成し遂げる時、必ず必要になるのが、時間です。
ユダヤ人が成功している理由は、ムダな時間を排除し、成功するために必要な時間をセーブしているからだと思います。
成功している実業家の多くは、ヒマです。
私も以前は、成功している人ほど忙しいと思っていましたが、実は逆であることに気づきました。
マネージメントに注力し、忙しい作業は従業員に任せている場合が多いからです。
そういう意味では、“忙しい人=貧乏人”という場合がほとんどです。
まさに“貧乏ヒマなし”。
「へーえ、ヒマじゃないくせに、よくもハンバーガーの店を四店舗もキープして、さらに次の店を出せる準備ができるものですね、あなたがそれだけやれるってことは、結局ヒマだからだと思うがね」
私はグウの音もなかった。そういえば、ユダヤ人の言う通りだ。
ユダヤ人はニヤリと私にウインクした。
「ミスター・フジタ。ヒマのない人間はお金儲けなんかできません。商人は金を作ろうと思ったら、まずヒマを作らなくてはダメです」
まったくその通りである。
“ユダヤの商法”藤田 田 氏 著 ~時間の使い方を考えろ~
藤田氏が次々と店舗をオープンしている時、ユダヤ人は彼のことを“ヒマ”だといいました。
一見、間違っているように思えますが、実は正解なのです。
忙しすぎると何も手につかなくなるためです。
そういう意味では、ヒマな時間を作り出すことこそが成功への近道といえます。
ユダヤ人は、金曜日の夜から土曜日の夕方まですべての欲望を絶って休息に専念します。
働くばかりでは、いずれは健康を損ねることを良く理解しているのです。
一方、日本人のサラリーマンは満足に食事もせずに連日の残業に耐え抜いています。
日本特有の商習慣では時間のムダが多いため、結果として残業が増えるのも当たり前といえます。
代表的なムダは、“根回し”。
これほど罪深いものはありません…
大きな事業を育てるためにヒマな時間を作り出し、十分な休息をとるユダヤ人。
時間を大切にすることによって、大きな成功を収めているのではないでしょうか。
日本人も見習いたいところです。



ヒマな時間を作り出す!!
“安売り競争は死のレース”
メーカーや商社は、利益が薄ければ、いつ倒れるか分からない危険にさらされているのも同然で、まして、薄利競走などは、お互いの首に縄をかけて、ヨーイ、ドン、で引っ張り合うようなもので、愚劣きわまりない商法である。
“ユダヤの商法”藤田 田 氏 著 ~“薄利多売”はバカの商法 ユダヤ商法と大阪商法~
私自身が16年間、薄利多売の小売業に携わっていたこともあり、“安売り競争は死のレース”という言葉には完全に同意します。
安売り競争が激化すると、従業員の労働時間を増やさないと回らないので、どうしても労働環境が悪化しやすくなります。
サラリーマンしか選択肢がないのであれば、法人相手のビジネスをしたいものです。
法人相手の場合、会社の看板を背負っている意識があるので、あまり不快な思いはしなくて済みます。
元請けが下請けに対して横柄な態度をとることはあるのかもしれませんが、基本的に取引先への言動は丁寧な場合が多いからです。
個人相手の場合、平然と難癖をつけるクレーマーが一定数存在しているので、疲弊しがちです。
残業代がキチンと支払われていたとしても、残業が常態化していれば、労働者にとってのメリットはないと感じています。
残業代がローンの支払いを助けている一面もありますが、時間を奪われていることに変わりはないからです。
会社などの組織にとっては、増員するよりも残業代を支払った方がはるかに安上がりです。
繁忙期などの一時的な残業でない限り、搾取されているといっても過言ではありません。
小売業などの個人相手のビジネスでは、安売り競争になりやすく、そのシワ寄せは従業員の労働環境の悪化という形で表面化します。
小売業の店舗で働いていた時は、本当に大変でした…


薄利多売なので、大量の商品を荷受けし、それを売り場や倉庫に移動させる必要があります。
人件費を削減するため、人員は必要最低限。
人員不足の中、大量の商品のレジ打ち、接客、外線電話の応答やクレーム処理…
異常ともいえる環境下でサービス優先なんてキレイごとにすぎません。
小売業に携わったことのある人であれば理解できると思いますが、“売り場の場所を尋ねられて案内する”とか、“放置されたショッピングカートを元の場所に戻す”といった仕事によって疲労困憊します。
本来あるべきサービス業の姿を実現するには、完全にリソース不足です。
会社と消費者の両方から体力と時間を奪われるので、文字どおり、“安売り競争は死のレース”なのです。
ユダヤ人の考え方が、“厚利多売”であることはいうまでもありません。



目指すは“厚利多売”!!
“最後に”
“ユダヤの商法”には、ユダヤ人の特性が多岐にわたって表現されていますが、“時間を大切にする”という点が最大のポイントだと感じたので、そこにフォーカスしました。
ユダヤ人は、あと10文字打てば、書類が片づくような場合でも、定時になれば帰宅します。
一方、日本人は周りの同調圧力に屈する形で、残業を強いられたりします。
残業だったらまだマシで、休日に上司や同僚と連絡をとり合うような場面も珍しくありません。
また、急に転勤を命じられ、家族と離れて暮らすなんてことも当たり前。
日本では、半ば理不尽と思えるような場面でも耐え忍ぶことが美徳とされています。
近年では、転勤が一定条件のもとで制限されるような制度を導入する会社が増え、ある程度改善されてきてはいますが、まだまだです。
日本人サラリーマンに基本的人権はあるのかを問いたくなるような実情です。
本当の意味で幸せを実現するためには、日本人特有の既成概念自体を疑う必要があります。
そういう意味では、ユダヤ人は本当の幸せをしっているように思えます。
金銭的な成功だけでなく、人生そのものにも成功しているのではないでしょうか。
まずは、自分自身が幸せになれるような行動を心がけましょう!!
“まとめ”
- 寿命を意識することで最大のパフォーマンスが発揮できる
- 時間を奪ったり、奪われたりしてはいけない
- ゆとりのある時間を過ごすことで素晴らしい“ヒラメキ”(偉大な発明)が生まれる
- 自分の幸せを祈ることが大切
- 趣味を持つことで人生が楽しくなる
- ヒマな時間を作り出すことが成功への近道
- “安売り競争は死のレース”
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